【スイス高級腕時計】時計産業を支えるスイス工具
2023.12.22
レビュースイスを想像すると、たくさんの方が思い浮かべるモノの一つに“高級腕時計”があると思います。ROLEX(ロレックス)、OMEGA(オメガ)、PATEK PHILIPPE(パテック・フィリップ)など、思いつく高級時計メーカーは、スイス製であることが多いのではないでしょうか?
空港の免税店などでも、スイス製の高級腕時計が並ぶ光景を目にする方も多いと思います。
でも、なぜスイスなのでしょうか?
数字で見るスイスの時計産業
スイス製の時計は「SWISS MADE」の刻印を打つために、最終検査をスイスで行うことはもちろん、内外装品において60%以上がスイス国内で調達される必要があることが、法律で定められています。
スイス時計は年間2000万個製造されており、これは世界全体の流通数量からすると僅か2%にすぎません。しかし流通金額で比較すると、世界全体の50%以上を占めることになります。
スイスにおける時計産業は主にフランスと国境を隔てる西側地域に密集しており、約6万人もの労働者が、時計関連産業に従事していると推定されております。
スイスでは時計の流通金額が約500億スイスフラン(約6兆1千億円)あり、スイスGDPにおいて第3位に位置づけられています。 (1スイスフラン=122円)
いかにスイスにおいて時計産業が重要か、お分かり頂けると思います。
スイス時計はなぜ高級なのか?
特にハンドメイドによる機械式スイス製腕時計の精度の高さは、世界中で有名であり「超」高級装飾品の代名詞といえるでしょう。
手作業で組み立てられ、最高級の素材を使用しているため、寿命が長く、破損した部品を修理したり交換することが可能で、基本的に永遠に時を刻めるものです。
世界3大高級時計メーカーも全てスイスに本社を置いていますし(※1)、腕時計の複雑機構(※2)も多くが スイスメーカーによって開発されたものです。
(※1)世界3大高級時計メーカー
パテック・フィリップ社
ヴァシュロン・コンスタンタン社
オーデマ・ピゲ社
(※2)スイスメーカーが発明した複雑機構の一部
ミニッツリピーター:時間を音で知らせてくれる画期的な機能/オーデマ・ピゲ社
永久カレンダー:4年に一度の閏年を含めて月、日、曜日を正確に表示する機能/IWC社
デイトジャスト:午前0時を迎えると日付が変わる機能/ロレックス社
パテック・フィリップ社
ヴァシュロン・コンスタンタン社
オーデマ・ピゲ社
(※2)スイスメーカーが発明した複雑機構の一部
ミニッツリピーター:時間を音で知らせてくれる画期的な機能/オーデマ・ピゲ社
永久カレンダー:4年に一度の閏年を含めて月、日、曜日を正確に表示する機能/IWC社
デイトジャスト:午前0時を迎えると日付が変わる機能/ロレックス社
人びとにはあらゆる方法で時間を正確に知ろうとしてきた長い歴史があります。
アナログの時代には考えられないような高機能で、細かい部品の集合体である内部構造は小宇宙とも称されています。腕時計の機構、構造自体がスイス時計の特長であり、スイス時計たる所以なのです。
アナログの時代には考えられないような高機能で、細かい部品の集合体である内部構造は小宇宙とも称されています。腕時計の機構、構造自体がスイス時計の特長であり、スイス時計たる所以なのです。
スイスで時計造りが始まった歴史的背景
スイスの時計産業は、16世紀半ばにジュネーブで誕生しました。
1541年に厳格な改革派であるJean Calvin(ジャン・カルヴァン)が装飾品の着用を禁止したことで、金細工師をはじめとする職人たちは、別の芸術品である時計製造に転向せざるを得なくなりました。
1790年にはすでに6万個以上の時計を輸出するまでに成長していたと言われています。
20世紀に入り著名な時計技師による研究の結果、時計の大量生産が始まりました。部品に互換性を持たせ標準化させたことより、生産性が向上し、スイスの時計産業は世界の覇権を握ることとなります。
なぜスイスなのでしょうか?
スイスでは農民たちが作物の育たない冬の間、季節の影響を受けない副業として、時計の組み立てを始めました。彼らは非常に勤勉で熱心に仕事に向き合いました。
精密さへの飽くなき探究心と情熱によって、その技術はいつしか至高の技となり、その伝統は
今に受け継がれ、世界の時計産業を支えているのです。
今に受け継がれ、世界の時計産業を支えているのです。
高級腕時計とスイス工具の関係
プロの時計職人は、優れた機能や魅力的なデザインをもつ腕時計の組み立てや修理のために、適切な精密工具を必要とします。スイス時計の内側を覗いてみると、数ミリ単位の小さな部品でさえ精密で、それらを作り、組み立てる工具も同じく精密さが非常に重要となります。
人びとを虜にし感動を与える腕時計のために最高レベルで製造された部品たちは、非常に厳しい製造基準をクリアし、細心の注意を払って1つのマスターピースへと組み立てられます。
曲げ、掴み、切断、位置決め、研磨、装飾、組み立てなどのあらゆる工程において、高品質のスイス工具が求められています。
そして、精密な時計部品を製造するために不可欠である、高精度な機械の製造やメンテナンスにも、スイス工具たちは愛用されています。
スイス工具の紹介
「超」精密が求められるスイスの時計産業を支え、時計職人たちを満足させるスイス工具。ワクワクしてきます!
それでは紹介していきましょう。
1878年に馬の蹄(ひづめ)を保護する蹄鉄(ていてつ)の鍛造から歴史が始まりましました。当時から最高品質を実現するために、100%「スイス製」に拘っています。製品によっては熟練者による全数目検を合格した商品だけが出荷されるなど、高い品質が維持されています。決して妥協を許さないモノづくりは時計産業だけでなく、航空宇宙や医療機器業界からの信頼も厚いスイスを代表する工具メーカーです。
🔨取扱い商品:グリップドライバー、六角棒レンチ、ショックレスハンマーなど
ピンセットや精密ニッパの一流メーカーとして、高級時計メーカーなどで愛用されており、高い品質を誇ります。熟練技師たちの手作業による微調整や、厳しい検査検品を繰り返し行い、合格品だけが供給されます。製品はロット管理されており、万が一不具合品があれば、徹底的に原因を追及し改善を試みるなど、品質への高い拘りがあります。
🔨取扱い商品:ESDピンセット、精密ハサミ、精密ニッパなど
実は・・・
弊社で扱うトラスコブランドのピンセットの中にも、正真正銘のスイス製があります。時計産業とともに成長してきた高品質ピンセットとトラスコブランドのコラボレーションです!
ぜひ、その掴み易さ、握り心地を体感してみて下さい!
時計産業とともに成長し、職人たちに愛され続ける一流スイス工具。最高級の“モノづくり”を求めるあなたの大切な相棒になることは間違いないと言えるでしょう。
記事について
この記事は弊社とお取引のある、スイス仕入先様へのアンケート、対談や、工場訪問にて伺う事のできた内容を参考に執筆しております。
▼お問い合わせ
法人のお客様は、お取引のある工具販売店へお尋ねください。
ご不明な点は、下記「お問い合わせフォーム」より問い合わせ下さい。
ご不明な点は、下記「お問い合わせフォーム」より問い合わせ下さい。
参考文献
Samuel Jaberg.Pauline Turuban.“Swiss Watchmaking:where things stand”swissinfo.ch.2020-07-30.https://www.swissinfo.ch/eng/business/swiss-watchmaking--where-things-stand/45896950,
Samuel Jaberg.Pauline Turuban.“Swiss Watchmaking:where things stand”swissinfo.ch.2020-07-30.https://www.swissinfo.ch/eng/business/swiss-watchmaking--where-things-stand/45896950,
この記事を書いた人
トラスコ中山 海外調達課
世界30か国以上からのプロツールを開拓・調達しています。